2006年02月24日

最期

昨晩、ふと思い立って、ドライフードをすりつぶしてなつこに食べさせた。
ここの所、何も食べないなつこに、少しでも元気を出して欲しかったから。
今朝の診察では、それはいい事だと教えていただいた。結果から言うと、
なぜ、もっと早くそうしなかったのだろうか。さらに、粉末を溶かして
与える栄養ミルクがあるとの事で、その場で飲ませていただき、一包
分けていただいた。

saigonoasa_natuko.jpg
23日朝のなつこ


病院から帰宅したなつこは、また一段とぐったりしていた。
本当は、うちにいてやりたかったが、仕事があるので、なつこを
暖かいホットカーペットの上に寝かせてやる。

水を飲みに行くなつこ、ところが、水を飲まず、その場にへたり込んでしまう。
もう、動くのも億劫なのだろう。ごはん、水、トイレをカーペットのすぐ近くに置いて
仕事に出かける。

・・・

仕事の間、なつこの事がとても気になった。

・・・

午後8時に帰宅、すぐになつこの元へ・・・。
ホットカーペットの上に寝かせておいたなつこがいない!
慌てて探すと・・・

トイレの中で伏しているなつこを見つけ、すぐに即席の床に寝かせ、
トイレ砂等の汚れを取り除いてやる。

しかし、トイレはすぐ近くに置いておいたのに、どうして離れたトイレに
向かったのだろう??

答えはすぐにわかった。
近くに於いてあるトイレは、高すぎたのだ。

なつこは、もう、ほんの20センチの高さも跨げない位に弱っていたのだ。

yowatta_natuko.jpg
すっかり弱ってしまったなつこ


その原因は、悪性リンパ腫が引き起こす、『貧血』だ。
恐ろしいのは、骨髄の造血機能を止めてしまい、
一定のサイクルで新しく入れ替わる赤血球が新しく作られなくなる。

血液検査の結果を知らされた時、なつこの血液サンプルを見せて
いただいた。血球はほとんど無く、または潰れていた。
そして、その代わりにリンパ球が埋め尽くしていた。
末梢にリンパ球が出ると言う事は、末期なのだと言う・・・。

それを受けて、今日の診察では、新たに『輸血』に活路を見出した。
手順は、うちにもう一人いる『みそちゃん』となつこを一緒に入院させ、
クロスマッチと言う適合検査を受けさせ、可能ならみそちゃんから
採血し、なつこに輸血すると言うものだ。全身麻酔を伴う、危険な賭けだが、
今のなつこには他に方法が無いのだろう。

明日、みそちゃんも一緒に連れて行こう。
お願いだ、なつこ、持ってくれ。

だが、思いとは裏腹に、ぐったりしたなつこの呼吸は荒くなり、薄くなっていく。
時折、びくびくと体を震わせる。その都度、優しく抱きとめて、元通り寝かしつける。

午後10時、急になつこが起き上がり、『にゃあ!』と2回鳴いた。
今まで聴いた事の無い位、大きな、悲しい鳴き声だった。
そして、前足をよたよたさせてこちらへ向かってくる。
抱きとめると、

なつこは、頭を摺り寄せて、なつなつをしてきたのだ。
今、なつこは、わたくしを頼ってくれているのだ。
涙が溢れた。そして、なつこを抱き寄せて頬擦りした。

hoozuri_natuko.jpg


そして、病院で貰ってきたミルクをお湯で溶いて、スポイトで飲ませてやる。
そして、最後までなつこの免疫力増強を願って、Dフラクションも飲ませる。
なつこは、わたくしの掌の上に、頭を乗せて、くりくりとしたかわいらしい
眼差しでこちらを見つめる。

hold_natuko.jpg
なつこの頭を手に乗せて、ミルクを飲ませた



疲れた、少し眠ってしまった。

11時過ぎに目が覚めると、なつこはぐったりとしていた。
なつこを擦ってあげる。もう、こんな事しか出来ない・・・

嫁に電話をして、今の状態を報告する。そして、明日の希望を話す。

それからしばらく経った、午前1時20分。
ぐったりしていたなつこが、大きく咳をするように、ミルクを吐き出し、
そのまま、お腹の動きが止まった。

なつこの闘いが、終わった。

口は半開き、目にはもう、わたくしの姿は映っていなかった。
うそだ、そんな事は無い・・・
明日、病院へ行くんだよ。

だが、理解した。もう、なつこは目覚めない・・・。


それからの行動は、恐ろしいくらい速かった。
なつこの体を拭いてやり、姿勢を整えて、タオルで包んでやる。
そして、小さいダンボールにしまった。
いかに家族とは言え、亡骸を放置するのは心苦しい。
そして、生きているみそちゃんに、菌が移らないように。
ねこは亡くなると、体についていた菌が離れるのだ。

そして、葬儀の手配をし、嫁に報告をした。電話口で、泣いていた。
しばらくして、缶チューハイをあおり、風呂に入って寝付いた。
あまり眠れなかった。朝の9時、ねこの病院フェリスへ電話をした。
補助員の方が、吉川院長に代わって下さった。
先生は、難病のなつこによく尽くしてくださった。
今日までなつこは最大の長生きをしたんだと思う。
冥福をお祈りしてくださる、皆様に感謝します。

なつこは、皆様に愛されて幸せです。
今はまだ、別室で眠っています。
一夜経ったなつこの寝顔は、驚くほど安らかだった。
もう、ウィルスも病気も関係ない。
なつこは、もう病気に苦しむ必要は無い。

なつこを失った悲しみは大きいが、もう苦しまなくていいと思うと、
不思議と胸が軽くなった。それだけ、苦しんでいるなつこを見ているのは
辛かったのだと思う。いや、今だから言える。辛かった。

ニックネーム みそちゃんとなつこ1号の父 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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